【書籍紹介】「AI実践道場(初級編)」で学ぶ、業務×AI活用の実践的アプローチ

導入

AI実践道場(初級編): 1日30分・10日で生成AI×業務活用スキルが身につく (AI業務大全) Kindle版を読み終えたので自分のメモも兼ねて紹介です(本記事はアフィリエイトを含みます。リンクをクリックまたはタップすると、別タブでAmazonサイトに遷移します)。

AIの可能性に注目が集まる一方で、実務での活用に悩む人も多いのではないでしょうか。

・AIってそもそも何?
・AIがすごいらしいが、何がすごいの?
・情報は集めているけれど、どうやって実務に活かしたらいいの?

こんな方々にぴったりな書籍です。本書は汎用的で具体的かつ実践的なAI活用術をまとめた書籍で、AI活用の基礎から応用まで幅広く学べる内容となっています。

要約

AIの具体的な活用方法を学べるのはもちろんですが、本書の核心は、AI活用のために知っておくべき前提と考え方の解説にあると感じました。特に以下の3点をベースとしながら、AI活用の具体的な方法論を展開しています。

業務知識とAI知識の両方を深める

効果的なAI活用には、業務に関する深い理解とAIの特性や可能性に関する知識の両方が欠かせないと強調します。この二つの知識領域を同時に深めていくことが、AIを実務で活かす鍵となります。

具体的な業務プロセスをAIで代替する発想を養う

既存の業務プロセスをAIでどのように代替できるか、という視点を持ち、「業務プロセスのこの部分がAIで代替できそう」という発想を養う重要性を説いています。

「何がしたいか?」を明確にしてからAIを活用する

AIを使う前に、まず自分たちが何を達成したいのかを明確にすることの重要性も説かれています。

学びとおすすめポイント

個人的に感じた、本書の最大の魅力

本書の最大の魅力は、AI活用の前提となる考え方の汎用性にあります。著者は、AIがなくても仕事をする上で重要な思考法を提示しており、これこそが本書の最大の価値だと感じました。

経験としてよく覚えているのが、Excelの関数のようなものも同じで、例えばVLOOKUP関数はこういうことができますといった、できることだけが分かっても、それが業務のどういう場面で、どういう目的として使うのが分からなければ活用のしようがないのです。

著者はこれを「業務が先、AIが後」と表現しており、これはAIに限らず、何を活用するにも本質は同じなのだろうと感じました。

初心者でもとっつきやすい

実際に手を動かして体験できる構成になっているため、初心者でもとっつきやすく、AIの利用イメージをつかみやすいのも大きな特徴です。1日30分程度という明確な区切りがあるので、無理なく着実に取り組める構成となっています。

フレームワークの有用性

世の中にはたくさんのフレームワークが存在しますが、それを活用することでAIの回答精度が高められることを学べます。特に重要と感じたのがIPOフレームワークで、以下の3要素で構成されています。

I(インプット):適切なデータソースの選択と提供方法
P(プロセス):目的に応じた適切なプロンプトの設計
O(アウトプット):使いやすい形式での結果の出力

このフレームワークを活用することで、AI活用の過程で手詰まりを感じた際も、「今はどの要素を調整しているのだろう?」と立ち戻ることで、再度前進できるようになると感じました。

情報源の重要性

AIにインプットする前提で書籍などの情報を探し、読むことが、AI活用において非常に重要だと指摘されています。「このフレームワークや考え方、AIのインプットに使えるかも?」という、新たな視点での本の読み方を学べました。

まとめ

『AI実践道場(初級編)』は、AI活用の基礎から実践まで、幅広い知識とスキルを学べる一冊です。単なるAI活用法の解説にとどまらず、ビジネスパーソンとしての思考法や問題解決能力の向上にも寄与すると思います。

特に、「業務が先、AIが後」という著者の考え方は、AI時代における業務改善の肝だと思います。AIはあくまでもツールであり、それを効果的に使うためには、まず自分たちの業務や目的を明確に理解することが重要だという点は、心に留めておくべきだと感じました。

AI活用に興味はあるけれどまだ手をつけていない方、すでにAIを使っているがもっと効果的な活用法を知りたい方、さらには業務改善や個人のスキルアップに興味がある方など、幅広い読者にピッタリの一冊だと思います。これで初級編というのが驚きです。中級編以降も楽しみです。